ようこそ神奈川県から!世界の山々を命がけで登攀する男性登山家の登山靴とインソール例
CLIMBING SHOES
+ INSOLE
本日のお客様は
本日のお客様は、命がけで山を登る、男性登山家です。
神奈川県からのご来店です。
お客様データ
- 神奈川県在住
- 登山家
- 靴擦れに悩まされる
- 当店の来店歴 :14年
- フィッティング歴:8足
ひとりで日本一周
14年前、彼は初めてオリンピアサンワーズにやって来た。
当時は大学生で、陸上部の短距離選手。
スパイクシューズをオーダーメイドインソールでフィッティングした彼は、専門種目の400mを49秒で駆け抜けた。
大学卒業後、彼は、たったひとりで旅に出た。
必要最低限の荷物をバックパックに詰め込み、ひたすら自転車を走らせた。
寝袋で野宿を繰り返し、北へ、南へと移動しつづけた。
結局、彼は、日本を一周した。
「オレの人生終わったな」
ひとつの冒険を終えた彼は、さらなる冒険を求めた。
彼は、ふたたび、旅に出た。
そして、たったひとりで、山に登りはじめた。
「もっと、もっと、新しい景色が見たい」
彼が登攀(とうはん)する山は、どんどん高く、険しくなっていった。
彼は、単独での登攀を貫いた。
命をさらし、ひとり、頂(いただき)を目指す。
自然は、容赦しない。
時に、生死の狭間にいるのを感じる。
「あ、オレの人生、ここで終わったな」
そんな、危険な瞬間を、何回も経験した。
ある時の登山で地獄をみた。
踵(かかと)に、靴擦れが起こったのだ。
足は、靴の中で、血まみれになっていた。
踏み出すたびに、苦痛で顔がゆがむ。
激痛をこらえながら登頂し、下山した。
そして、思った。
「やっぱり、あの店で、インソールを作ってもらうしかないな」
インソール「硬め」の理由
シンヤさんが、神奈川県からご来店。
命を守る登山靴を、オーダーメイド・インソールでフィッティング。
登山中は、40kgもの荷物を背負う。
その重量を足裏からしっかり支えるために、川見店主は、インソールを硬めの「硬度70度」で作成した。
この登山靴は、雪山でも足を守るために、二重構造のブーツになっている。
インソールを装着したのは、インナーブーツの中。
頑丈なつくりだが、履くたびにひと苦労する。
「これだけ面倒なので、一回履くと、もう脱ぎたくありません」
とシンヤさんは苦笑した。
「だから、フィット感が大事です。靴擦れだけは、もうゴメンですよ」
ブーツに足を入れ、紐を結び、最後にアウターブーツのジッパーを締め上げる。
立ちあがって、うなった。
「ああ、こうなるんですね。インソールで足と靴が、ガッチリと固定されてます。ビクともしません」
シンヤさん撮影の山々の写真↓
靴ずれの原因は
実は、彼は、大学卒業以来、折に触れて、川見店主に近況を報告していた。
だから、川見店主は、彼が登山をしていることを知っていた。
今回も彼は、今年の7月に一度、インソールの相談のために来店し、登山靴を置いていった。
それから2か月の間、川見店主は、インソール作成のプランを立てながら、彼の靴擦れの原因を考えていた。
もちろん、彼の「足」と「登山靴」がフィットしていなかったのも、靴擦れの原因のひとつだろう。
しかし、他にも理由がありそうだと思っていた。
川見店主:
「あなたは短距離選手だったから、歩く時『前足部で地面を蹴る』力が強いと思う。すると、足は強く屈曲するのに、このブーツには屈曲性が無いから、足とブーツでケンカになって、靴擦れを起こすのじゃないかな?」
シンヤさん:
「なるほど、あり得るかもしれません」
川見店主:
「だから、このブーツの構造に合わせて、『前足部で地面を蹴る』のではなく、『足裏全体で地面を垂直に押す』ように歩く動きが必要かも」
シンヤさん:
「気をつけて試してみます」
川見店主:
「ちなみに、近々この靴を履いて登山する予定はあるの?」
シンヤさん:
「まだ決まってません。この靴を履くのは、また命がけの山の時ですね(苦笑)」
今、シンヤさんが目指す山は、南アルプスの白峰三山。
積雪期に征服したい。
川見店主は、できれば、シンヤさんには、命を危険にさらすほどの登山はやめてほしい、と思っている。
そーゆう意味で、シンヤさんの「ほどほど」のご活躍を祈ります。
どうかご無事で!
あんまり危険なことはしてほしくないんだけど。
ちゃんと帰ってきてくださいね!